2024-05-20
2024-05-20

腰痛でお悩みの方へ

よく聞き、体験したことがある方も多い『腰痛』

なぜ腰に痛みがでることが多いのか解説します。

この記事で『腰』と『重力とカラダの関係』への理解を深め、腰痛の改善や予防に役立てて頂けたら幸いです。

1.腰の構造

2.痛みの種類

3.カラダの重さを支える。ということ

4.自宅でできるセルフエクササイズ

腰の構造

腰の構造

私は、腰痛の多様さや、発生件数の多さは『腰の構造』にあると考えています。

さて、腰の構造を見てみましょう。

写真の丸で囲われたKey Pointを見てください。腰は、肋骨の一番下のふち~骨盤まで、骨の支えは背骨(腰椎)のみとなっています。ここで上半身と下半身を繋いでいます。

背骨と骨盤の構造を学生時代に初めて見たとき、「え…ここが上半身の土台??骨盤から背骨がズレたら上半身が落っこちる!!!」とびっくりしたのを覚えています。(生活動作で骨盤から背骨が滑り落ちることは無いです。笑)

背骨と骨盤は、骨盤の後ろ側のパーツである「仙骨」という骨で繋がっています。

仙骨の上に積み木のように、5個「腰椎(ようつい)」という背骨が乗って、その上に12個「胸椎(きょうつい)」という肋骨と繋がる背骨が乗り、その上に7個「頸椎(けいつい)」という首の骨、そしてその上に頭蓋骨が乗っています。

積み木で遊んだことがある方は感覚的にわかりやすいと思いますが、一番上に重たい頭蓋骨が乗っているこの構造はとてもバランスが崩れやすいです。

それと同時に効率よく重力を受けられる。とも言えます。(※詳しくは「3.カラダの重さを支える。ということ」でご説明します)

重い頭が一番上に乗っていてバランスが崩れやすく、上半身の土台は骨盤の上に背骨(腰椎)が1本。

目に見てわかりやすく、この腰の背骨(腰椎)に負担がかかりやすい構造になっています。

猫背で頭が前方に出でいる姿勢、お腹が前に突き出た反り腰の姿勢。

椅子に浅く腰かけて背もたれに寄り掛かった姿勢、右や左に重心が偏り傾いている姿勢。

このような姿勢は腰に負担がかかりやすそうだなぁ。。とイメージできそうですか?

日々、上半身を支えてくれている背骨(腰椎)に感謝したくなりますね。

痛みの種類

痛みの種類

この記事を読んでいる方は、日ごろから腰痛にお悩みの方が多いでしょうか。

『腰』と呼ばれる、背中の下方のエリアには色々な臓器があります。臓器などの病気により内科的な原因で痛みが出ている場合もあります。

ぜひ、【腰の痛み】と整形外科的な痛みに限定せず、長引く痛みは一度医師の診察を受けてみてください。

私の施術では、整形外科的な痛みの評価として大まかに3つに分けて考えています。

①筋疲労や筋の炎症による痛み

②神経狭窄による痛み(時にしびれ)

③骨折による痛み

①から順に、施術で良くなる可能性がある順番です。

私は、③の骨折に関しては、骨が治癒するまで根本的な解決は難しいと考えています。医師に骨折は治ったと言われたが、痛みが続いている。。という方は痛みの原因が①または②へシフトしたと考えられます。。

整形外科的な痛みの他には、

・内臓などの内科的な痛み

・精神的ストレスなどによる自律神経系、ホルモンバランスの崩れにて感じられる痛み

・生理に伴う腰痛

皆様の痛みはどの原因によるものでしょうか?

カラダの重さを支える。ということ

カラダの重さを支える。ということ

皆さんは自分のカラダの重さは、どこで支えていると感じますか?

私は【カラダ全体】で支えていると考えています。

誰かが手を抜くと、他の誰かに負担がかかります。この誰かは「骨」も「筋肉」も「関節を繋ぎとめている靭帯」も含まれます。

しかし、約206個の骨と600以上の筋肉全てに、意識的に注意を向けるのは不可能です。

皆さんは『支える』という言葉を聞いて、どんなイメージが浮かびますか?

「力を入れなければ」とか「踏ん張らなきゃ」、「筋力を鍛えなければ」等の何かを意図的にする『do』のイメージが浮かんだ人が多いかもしれません。

私が思う『支える』というのは、【重力をうまく受け止めて、その反力を逃さないこと】です。

難しく聞こえるかもしれませんが、簡単にいうと家の柱、棒高跳びの棒。意図的に何かする『do』ではなく、今ある骨や筋肉の形や質量を邪魔しないように、ただ力を抜いてそこにいること。『be』でいることです。

力を抜いていて大丈夫なの??と心配になる方もいらっしゃると思いますが、転ばないように・動作が達成できるように・バランスを取るために脳みそが自動的に筋肉の張り具合を制御してくれます。

私が好きな本、深沢悠二さん著の『からだと心のマネジメント』の素敵な文章を2つ紹介いたします。

【気づかないで、力を入れている。気づかないで、緊張している。気づかないで、無理をしている。それが現代人です。】

【骨は車体であり、からだの重さがエンジンであり、筋肉は操縦者である。一般には筋肉をエンジンと考えている人が多い。このことがからだの動きを不自然なものにしてしまう最大の原因である。もともと操縦者であるべき筋肉が、エンジンの役割をしたところで、どれだけ車を動かすことができるというのか。(野口体操創始者:野口三千三より)】

からだの構造は、もともと重力を受け止めて、その床反力を動きに変換するように上手くできています。

重たい頭が一番上にあり、足は体全体のサイズからみて小さく、ちょっと体を傾けたら勝手に前に進めます。

とは言え、理屈は分かっても、腰痛を抱えている方には『余計な力を抜く』こと、腰回りの脱力は恐怖に感じる方も多いかもしれません。

そんな方は次の項目、4.自宅でできるセルフエクササイズ をお試し下さい。

自宅でできるセルフエクササイズ

自宅でできるセルフエクササイズ

私の腰痛体操コースで紹介するセルフエクササイズはその方の症状やカラダの使い方に合わせた物を提供します。

この記事でご紹介するのは、重力と仲良くできるカラダつくりの方法をお伝えします。

・背骨をやさしく動かす体操

①はじめに、後ろを振り向いたり、天井を見上げたり、今どのくらい背中が捻じれるか、反れるか確かめてください。

②椅子に座り、右手を首の後ろ、左手を右の脇腹(あばら骨)に触れてください。

③ゆっくりとお尻の上で体重を左へ右へ動かします。その際に手で触れている首や、あばら骨がどう動いているのか手で感じてみてください。

痛みなくこの動きができたら、

④右の肘を天井に向けたり、下に向けたりしながら背骨が大きくたわむ様に動かします。左手でアコーディオンを弾くように、あばら骨の動きを繊細に感じてください。

⑤、①の後ろを振り向いたり、天井を見上げたりした確かめの動きを再びやってみてください。

⑥左手を首、右手を左の脇腹(あばら骨)に触れて、手を左右逆で②~④を行います。

どうでしたか?

重力がうまく受け止められるような、しなやかな背骨になりましたか?

日ごろから『余計な力み』が無いように、腰に負担をかけないようにセルフケアをしてみましょう♪