皆さんはご自身の肩や腕はどんなふうに、上半身(体幹)へついていると思いますか?
私は理学療法士の学校へ入る前は、レゴブロックの人形のように、体幹に腕が直接はまっていると思っていました。
骨格模型をみると、なんと、腕は宙に浮いている!!!
解剖学を習い、肩と腕の骨(上腕骨)は色々な筋肉(ローテーターカフと呼ばれる複数の筋肉)で繋ぎとめていることが分かりました。
だから肩は色々な方向へ動かしやすいけれど、脱臼しやすいんですね~。
写真を見て頂き、赤い部分は肩甲骨(けんこうこつ)、青い部分は鎖骨(さこつ)、緑色の部分は腕の骨、上腕骨(じょうわんこつ)です。
え、肩って背負っていたの!??と、私も初めはびっくりしました。
写真を見てもイメージが湧かない方は、〖肩を耳に近づけるように上げたり、力を抜いて肩を落としたり〗この動きを繰り返してみて下さい。
3つのパーツが上がったり、下がったりするのが感じられるかと思います。
さて、皆さんの『肩がこる』『痛みがある』部分はどこですか?
肩甲骨がある背中側ですか??
鎖骨がある胸の上や肩先でですか??
それとも背負っている重みがかかる、首から肩にかけてのラインでしょうか?
カラダの構造がわかると、こりや痛みの部位が鮮明になってきますね。
それでは、肩こりを予防するには、先ほどの3つのパーツ(肩甲骨、鎖骨、腕の骨)をどのように背負えばいいのでしょうか?
そこにはもう一つ、大事なパーツが関係してきます。それは『頭』です。
成人の頭の重さは体重の約10%くらいと言われており、体格にもよりますが4~6㎏前後と、とても重いです。
後頭部、首、肩まわり、は姿勢を保つための大きな筋肉から、細かい動きをコントロールする小さな筋肉まで様々な筋肉がついています。
この筋肉たちが過剰に働いて痛みが出たり、働きっぱなしで硬くならない為には、重たい頭の位置が重要です。
人それぞれ、年齢や個性によって背骨のカーブの形が違います。その背骨の一番上に頭がのり、頭の位置によって肩の位置が変化します。
「寝違えて首が痛いなぁ」「パソコンのしすぎで肩がこった」「スマホの見すぎで姿勢が悪くなった」etc...
寝た姿勢、座った姿勢、立っている姿勢、どんな体勢でも『頭』と『3つのパーツ』の位置関係が悪いと様々なトラブルが引き起こされてしまいます。
ぜひ次の項目のカラダチェックで、自分に合った良い姿勢をぜひ探してみましょう♪
Let´s トライ🐯
≪仰向けの姿勢で探そう≫
①床や畳など硬いところへ仰向けになります。顔面が水平になる(アゴが上がっていたり、おでこが高くアゴが引けていないところ)まで頭の下に雑誌や本を積み重ねます。
この顔面が水平になる姿勢が、仰向けでのあなたの良い姿勢になります。
②本の上で左右に頭を転がして、徐々に転がす幅を小さく小さくしていくます。顔が止まったところがあなたの背骨に合った、頭・顔面の中心となります。
≪座った姿勢で探そう≫
①背もたれに寄り掛からずに、足の裏をしっかりと床につけて座ります。頭上からヒモで頭を吊り上げられているように正面を向いて座ります。
②顔面が正面を向いたまま、ニワトリが歩く時のように水平に顔面を前後に出したり引いたりします。動きをゆっくりと小さく小さくしていき、止まったところがあなたの良い姿勢になります。頭は軽く感じますか?
≪立った姿勢で探そう≫
①両足を肩幅くらいの楽に感じる幅で立ちましょう。息を大きく吸わずに、ハァとため息をついて下さい。肩の3つのパーツが下へ下がりましたか?
②肩は動かさずに、正面を見たまま頭を左右交互に傾けて片側ずつ耳を肩へ近づけます。振り幅をゆっくり小さく小さくしていき頭が止まったところが立った体勢での良い姿勢になります。
どうでしょう?
あなたの良い姿勢はみつかりましたか?
肩凝りや痛みの原因には、精神的なストレス・精神的な緊張からくる筋肉の硬さ・良い姿勢をしようと背筋が過剰に働いているetc…様々が要因が挙げられます。
上記の良い姿勢を探すワークでは、ぜひリラックス、ゆっくり、力みなく。行うことを心がけてみて下さいね♪
うつ伏せがツラい方は無理して行わず、
前の項目の“カラダチェック【自分に合った良い姿勢を探そう】”を1日1回、力みのないように繰り返してみて下さい♪
≪うつ伏せでエクササイズ≫
エクササイズを行う前後に、同じ動きをして肩まわりの変化を確かめてみましょう。(例:バンザイ、肩回し、背中で両手の平を合わせる、など)
①うつ伏せで両方の手の平を顔の両側に置いて、腕立て伏せのように肘を立てます。(写真のガイコツのようなポーズ。足は自由でOKです)
②あなたのヒゲまたは鼻毛が筆のようにふっさふさに1~3㎝ほど伸びたとイメージして、顔の近くの床にまんべんなく色を塗るように動かします。両手や肩まわりは、色を塗る動きをどのように助けてくれますか?
※顔面は床に着けず、浮かせて動かします。
※疲れや痛みのないように、休憩を挟みながらムリなくやりましょう。
『頭』と『肩の3つのパーツ』が相互に関係し合い、周囲の筋肉をまんべんなく、やさし~く使うエクササイズです。
エクササイズを行う前にやった、動きをもう一度行ってみましょう。
今、ご自分の肩をどんなふうに感じますか??
肩凝りや痛みにお悩みの皆様の日々の生活に活かせて頂けたら幸いです。